任意の自動車保険には保険料を安くする特約や、補償の範囲を広げるための特約など保険商品ごとにさまざまな特約があります。これらの特約は自動的にセットになる自動付帯特約と、保険契約の際に選べる任意付帯特約とがありますが、いずれも保険会社、保険商品によって内容が異なりますので、契約の際にはよく確認しておきましょう。
保険料を安くするための任意付帯特約として、運転する人の年齢を限定する「運転者年齢限定特約」があります。例えば、運転者の年齢を30歳以上に限定すると、29歳以下の人が運転した場合の事故に対しては自動車保険の補償がされません。その分、払い込む保険料が安くなるしくみです。ただし、同じ年齢限定特約であっても、自動車保険の契約者である記名被保険者の年齢が違えば保険料は異なります。
同様に運転者そのものを限定する「運転者限定特約」もあります。保険の適用を被保険者本人のみや、本人+配偶者、本人+同居の家族などに限定することで保険料が安くなります。また、運転者年齢限定と組み合わせることもできるので、払い込み保険料を安くするのに良く利用される特約です。
そのほかの特約として「弁護士費用特約」というものもあります。たとえば、追突事故は原則0対100の過失割合となるので、自分が追突された場合などは相手が全面的に悪いため、自分の加入している自動車保険は使えません。つまり、自分の保険についている示談交渉代行サービスが使えないことになります。こうした場合には、相手との交渉を弁護士に依頼したいものですが、費用は自己負担となってしまいます。そのための弁護士費用を補償するのがこの特約です。
また、最近急増している自転車事故の補償を含む特約もあります。近年、エコや健康志向の高まりによって自転車の台数が都市部を中心に増えていますが、特に軽量でスピードの出やすいスポーツタイプの自転車が人気となっています。このため、歩行者との接触事故でも重傷化するケースが増えており、損害賠償金の額も数千万円という高額の事例が増えています。
このような自転車による事故などに対応するのが、「個人賠償責任保険特約」で、自転車事故だけでなく、飼い犬が他人に噛みついたり、子供が近所の家の窓ガラスを割った、などという場合にも使えます。ほかにも、自分や家族が所有する小型バイクに自動車保険と同様の対人、対物賠償、人身傷害保険などが適用される「ファミリーバイク特約」もあります。
また、車内やトランクに積んである荷物が事故で壊れたり、盗難にあった場合に補償される「身の回り品補償特約」というのもあります。高価なゴルフクラブをトランクに入れている人にはうってつけの特約といえるでしょう。
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