対物賠償保険の対象範囲
自動車保険(任意)で対人保険とならんで主となる契約が対物賠償保険です。
自賠責保険では、事故によって損壊した物の損害賠償はされませんので、任意の自動車保険では必ず加入する保険と言えます。
保険の対象となるのは対人保険と同じく、被保険者と配偶者や同居家族、被保険者の使用人、許諾被保険者などです。
自動車事故などで他人の財物(他人の自動車、バイク、自転車、ガードレール、電柱など)を損壊し、損害を与えた場合に支払われる自動車保険です。
ただし、対象となる自動車を競技や試験、曲芸などに使用した場合には保険金は支払われません。
また、被保険者とその父母、配偶者、子供の財物が損害を被った場合も保険金は支払われません。
さらに、被保険者の使用人、許諾被保険者の父母、配偶者、子供の財物に対する損害に対しても被保険者同様、保険金支払いの対象外となります。
たとえば、就業中の使用人が車庫入れを誤ってガレージや庭を壊しても保険金は支払われませんし、夫婦が互いの自家用車で衝突事故を起こしたとしても、保険金は支払われません。
この点を補うためには、車両保険や自身の財産に対する損害を補償する保険に加入する必要があります。
対物賠償保険の契約金額はいくらにするべきか
無制限に設定しておくといいでしょう。
対物賠償保険は対人保険と違って自賠責保険が使えませんので、運転者の損害賠償金額が極めて高額になるケースもあり、多くの加入者が損害賠償額を無制限としています。
対物賠償保険では実際に損壊した財物だけでなく、店舗の休業補償など、損壊したことによって発生した損害も含まれます。
事故によって散乱した積荷の片づけや、危険物搭載車両との事故で起こった火災、電車との接触事故によって鉄道会社の運行に支障が出た場合などは、非常に高額の損害賠償金を請求されることがあります。
パチンコ店に車が突っ込んだ事故では1億3千万円もの損害賠償額が確定した判例があり、踏切事故でも1億2千万円の高額判決例があります。
物損事故での損害賠償例としては、ガードレール10メートルで15万円前後、信号機は本体と工事費の合計で300万円前後、駐車料金出口精算機を壊した場合は本体と工事費で600万円を超えるケースもあります。
電柱はそれほど高額ではありませんが、さまざまな機器やケーブル類が搭載されています。配電用のトランスを壊してしまい、付近一帯を停電させてしまったら莫大な損害賠償額となるでしょう。
また、最近は電柱に光通信用の装置や光ファイバーが搭載されていることも多く、これらだけでも数百万円の損害となることが予想されます。
また、ファイバーの切断や小型の携帯電話用中継局などを損壊して通信を停めてしまったら、発生する個人や企業の損害は莫大なものになるでしょう。
このように、物損事故での損害賠償額は非常に高額になる可能性があります。対物賠償保険の契約金額は無制限に設定しておくことを強くおすすめします。
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