逸失利益とは

かんたん用語解説
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交通事故にあってしまった人は、その怪我の内容によっては、入院などが必要になり仕事を休まなければいけないという場合もあります。
また、大きな事故ともなれば、今まで行っていた仕事が出来なくなってしまうといった可能性もあります。
例えば事故で腕の切断を余儀なくされた場合には、多くの仕事の場合、そのまま続ける事は困難となってしまいます。
そして、まだ働いていない子供の場合でも、万が一死亡事故などによって子供の命を奪ってしまった場合、これから死ぬまで働いて稼いでいたであろう収入は一円も得られないという事になります。
こうした場合、事故による怪我で仕事が出来なかった怪我をしたり身内が死亡してしまった被害者側が加害者に対して、損害賠償を逸失利益という形で請求する事が出来ます。

逸失利益には多きく分類して2種類

逸失利益は、生涯働き通して得られていた収入から、生活に必要な費用分を差し引き、その金額を求めます。

当然、若くして死亡や怪我をさせてしまい働く事が難しくなってしまった場合、その金額は大きくなるという事になります。
この算定方法には二種類あり、一つがライプニッツ方式と呼ばれ、もう一つがホフマン方式と呼ばれています。

まずライプニッツ方式について解説させて頂くと、事故により後遺症が残ったり、死亡してしまった被害者の逸失利益額の中の中間利息を、複利法という方法によって控除するという方法となっています。
つまり、1年ごとにその利息を元本に入れて逸失利益の現価を計算します。

そしてホフマン方式ですが、単利法によって利息を控除するという方法になっています。
このホフマン方式は、旧ホフマン方式と新ホフマン方式という形で、計算方法によって呼び名が異なります。
まず旧ホフマン方式に関しては、弁済期間中にある利息を、すべて一気に控除する単利単式の計算方法です。
そして新ホフマン方式は年度ごと、そして月ごとなどといった様に、弁済期ごとに控除を行う単利複式の計算方法を採用しているのが特徴です。
現在では、旧ホフマン方式に関しては、ほぼ採用されていないというのが現実です。

ライプニッツ方式が主流

しかし、こうして二つの算定方法が存在するという事は、どちらが被害者にとって有利なのか、または加害者にとって有利なのかという事が気になるかもしれません。
しかし、最高裁はいずれに関しても不合理という訳では無いとしています。
しかし、現在はライプニッツ方式が主流とされている事が多い、というのが現状となっています。

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