自動車保険では保険料の支払いに公平性を保たせるため、等級制度を導入しています。この等級制度ですが、簡単に書いてしまうと自動車保険の一般的な契約年数である1年を無事故で過ごせば割引率が上がり、反対に事故を起こしてしまうと割引率が下がってしまって翌年は割増の保険料を支払うというものです。
ここではこの等級制度に関係する等級すえおき事故について解説します。
等級すえおき事故とはなに?
等級すえおき事故とは簡単に書いてしまうと、保険を利用したとしても翌年も同じ等級が適用される事故のことです。これは保険を適用するにしても、偶然性が高い事故であった場合に使われていました。
例えばですが、飛び石などでフロントガラスが破損してしまったケース、落下物などで車が傷ついてしまったケース、落書きやいたずらなどによる損害などです。これらの事故というのは自分に責任がなく、積極的に回避できる性質のものではありません。いわゆる不慮の事故とも言え、被保険者からすると防ぎようもないので、過失を問うというのが難しい事故だと言えます。
ですので、結果として保険を利用したとしても等級はそのまま据え置きにする、という判断がなされていました。しかし、この等級すえおき事故というのは現在では制度の改定によりなくなっています。
現在の等級すえおき事故はどうなっているの?
上であげたような事例が起こった時、車両保険に加入していれば、等級はダウンすることなく保険の利用ができましたが、2012年に制度が改定されました。
新しい制度では等級すえおき事故を保険適用すると、すべてのケースで1等級ダウンという判断がなされています。1等級ダウンであれば、そこまで保険料も変わらないのではと思う人もいるかもしれませんが、実は違うのです。等級制度の改定で行われたのはそれだけではなく、等級がダウンした場合、事故ありとしてみなされるようになっています。
これは同じ等級であっても、事故をしてその等級になった人と事故をせずにその等級になった人が同額の保険料を支払うのはおかしいとする考え方からです。そのため同じ等級でも事故ありとされた場合、割増された保険料を支払うことになります。
詳しい比率は保険会社によって異なるのですが、一般的に事故ありとなると無事故の保険料の2割増し程度だと考えてください。つまり、場合によっては保険の適用をせずに自腹で修理した方が得になるケースもあると言えるのです。特に車両保険でも免責金額を設けているのなら、それがより顕著になるでしょう。
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