人身傷害保険
車同士など相手のある交通事故では、対人保険の損害賠償金は各々の過失割合によって相殺され、減額されて支払われます。
たとえば、8000万円の損害額で過失割合が相手6割、自分4割の場合、相手の保険からは8000万円の6割4800万円のみが支払われ、残りの3200万円は自分が負担しなければなりません。
このような場合に人身傷害保険に加入していれば、過失割合による減額なしに損害額が全額支払われます。先述のケースでは8000万円が全額、自分の人身傷害保険から支払われます。ただし、相手から損害賠償金を受けてとっている場合には、その額を差し引いた残りの額が支払われます。
人身傷害保険では単独の事故による死傷のケースでも、保険金額の範囲内ならば、治療費や休業補償などもすべて保険金から支払われます。さらに人身傷害保険の対象範囲は被保険者だけでなく、被保険者の配偶者、同居の親族、シートベルトなど被保険車両の安全装置を正しく装着して乗車していた同乗者も含まれます。
無保険車傷害保険
一方、無保険車傷害保険は相手のある交通事故で、相手が対人保険に加入していないなど、損害賠償に必要な財力が十分でない場合に、自分の保険から損害賠償金を受け取れる自動車保険です。人身傷害保険に加入していない場合や、人身傷害保険では損害額に不足する場合などに無保険車傷害保険から損害額が支払われます。
無保険車傷害保険では、損害額の合計から事故相手の自賠責保険、対人賠償保険などで支払われる金額を差し引いた残りの額が支払われます。また、相手が運転者限定や年齢限定などで保険適用外であったり、当て逃げなどで相手が不明の場合にも支払われます。
ただし、無保険車傷害保険は死亡、または後遺障害の場合のみに限定されるので注意が必要です。
搭乗者傷害保険
人身傷害保険や無保険車傷害保険などが限定的な自動車保険であるのに対して、
搭乗者傷害保険は事故相手から保険金が支払われる場合でも、それとは別に保険金が支払われます。
また、人身傷害保険、無保険車傷害保険、自損事故保険などから保険金が支払われる場合でも、搭乗者傷害保険の保険金は支払われます。
搭乗者傷害保険は被保険自動車に乗車しているすべての搭乗者に適用され、死亡保険金、後遺障害保険金、入院や通院などの医療費も保険金から支払われます。ただし、窓から身を乗り出して運転するなどの危険行為や、装備されている安全装置を正しく装着していなかったり、無免許運転、飲酒運転、危険ドラッグや薬物などを使用しての運転では保険金は支払われません。
搭乗者傷害保険についても他の保険同様、自分が加入している、あるいは加入しようとする保険商品がどのような内容になっているか、事前によく確認しておくことが大切です。
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