共同不法行為と聞くと、何か結託して詐欺行為を働く事、という様なイメージを受けるという方は多いかもしれません。
しかし、自動車保険業界における実際の共同不法行為は、そうしたものとは少し異なります。
共同不法行為自体とは何?
そもそも、共同不法行為自体は、自動車保険以外でも使用される言葉であり、意味合いとしては同じですが、ケースとしては全く違う事もあります。
例えば不倫などでも共同不法行為自体は成り立ち、使用される言葉となっています。
ですからここでは、自動車保険における共同不法行為に関して説明します。
交通事故というものは、多くの場合には加害者は一人となります。
しかし稀に、加害者が二人以上いる、というケースの事故が生じます。
こうして
複数の加害者が出てしまった場合、共同不法行為という風に呼びます。
この共同不法行為は、民法719条で規定されている法律です。
想像できないかもしれませんから、例えばどういったケースがあるのか解説させて頂きます。
例えば、1人の加害者が人を跳ねてしまったとします。
その被害者が、衝突の勢いで反対車線にまで飛ばされ、突然飛んできた被害者を再度、反対車線の車両が轢いてしまったとします。
こういった場合には、被害者が一人なのに対して、加害者が二人という事になります。
また例えば、酔っ払って道端で寝ている人を先行する自動車が轢いて、その後ろから走っていた自動車の方もその人を轢いてしまった、などという場合も、やはり同じように加害者が二人いるという事になります。
人身事故も物損事故についても
またこの
共同不法行為は、人身事故だけではなく物損の事故でも成立します。
こういった場合、被害者は一体どの相手から損害賠償の請求を行えば良いのか、誰から損害賠償請求が出来るのか、という点が気になるかと思います。
この場合、例えば先ほどの例で言えば、先に轢いた方はA、そして後に轢いた方がBだとすると、そのいずれからも損害賠償の支払いを受ける事が可能です。
Aからのみ損害賠償を行っても良いですし、Bのみからのみ損害賠償を行っても良いです。
そして、その全員から損害賠償の請求を行う事も出来ます。
しかし、誤解してはいけないのは、例えばその損害賠償金が200万だとすると、Aから200万円の支払いを受けるか、Bから200万円の支払いを受けるか、それとも両方から100万円ずつの合計200万円を受けるか、という形になります。
つまりこの場合だと双方から、200万円の損害賠償を受けるといった様な事は出来ないという事になります。
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