自動車保険の事故有係数適用期間とは、事故に伴い保険金の請求を行い等級ダウンがあった時に、翌年から保険料の割増引率(事故有係数)が適用されて料金が増加する事になるのですが、その割増が継続される期間のことを指しています。
初めて保険に契約したり事故無しを継続している方の場合は事故有係数適用期間は0年としてカウントされるのですが、事故を起こし保険を利用して3等級ダウン事故と判断される場合には翌年に3等級ダウンとなるだけでなく、3年間に渡り事故有として係数が適用される事になり、等級ダウンによる保険料の増大に加えて係数が適用された分も含めた割増を受ける事になります。
事故係数が加算される要因とは
こうした制度は近年になり国内の自動車保険各社で開始された新しい制度になるのですが、なぜ等級ダウンに伴う保険料増大以外に事故有の係数による増加も加算される事になったのでしょうか。
例えばこれまで安全運転を貫いて事故を起こさず15等級を迎えた方と、前年に事故を起こして3等級ダウンして15等級に落ちた方がいた場合に、これまでの制度では双方とも同じ15等級の保険料が適用されることになります。
しかし片方が安全運転を心がけてきた一方で、もう片方が事故により等級を落としたにも関わらず双方共に保険料が同じなのであれば、大きな不公平感を感じる事になります。
こうした不公平感は契約者の小さな声に留まらず自動車保険業界全体に波及する事になり、契約者間の保険料負担の公平性を高めると共に、リスク実態をより現状に反映させやすい制度として事故有係数が導入される事になったのです。
事故係数が加算される具体例
では実際に事故を起こした場合にどのような事故有係数が適用され、また有係数適用期間はどれ位に及ぶのでしょうか。
まず前年契約を継続する場合の1等級~6等級までは無事故係数・事故有係数は1.64(+64%)~0.81(-19%)までとなり、無事故係数・事故有係数の双方は細かく細分化されていません。
一方で7等級以下からは無事故係数が0.70(-30%)であるのに対し事故有係数は0.80(-20%)と双方で分かれる事になり、20等級では無事故係数が0.37(-63%)で事故有係数は0.56(-44%)になります。
また
- 事故有係数適用期間については3等級ダウンで3年になり1等級ダウンで1年となる
のですが、3等級ダウン事故を起こし翌年にまた1等級ダウン事故を起こした場合には双方のトータルで合計4年間に及ぶ事になります。
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