日本では18歳から自動車免許の取得が可能ですから、未成年でも車を運転する機会はあります。
車を運転する場合には、任意の自動車保険にも必ず加入する必要がありますが、未成年などの年齢の若い人は、運転技術が未熟という事もあり、事故を起こすリスクが高いと判断され、どこの保険会社でも保険料は高く設定されています。
安くする方法はあるんでしょうか?
参考にしてみてください。
未成年の自動車保険の保険料の相場
未成年の自動車保険の保険料は高いと言われていますが、実際に保険料の相場はどの程度なのでしょうか。
- ・車種別比較の保険料(アクサダイレクト・19歳の場合)
- プリウス … 192,710円
- N-BOX … 159,310円
- アクア … 228,560円
- フィット … 192,710円
- ・保険会社別比較の保険料(トヨタプリウス・19歳の場合)
- アクサダイレクト … 192,710円
- 三井ダイレクト … 130,540円
- 損保ジャパン日本興亜 … 218,460円
このように、未成年の自動車保険料と一言で言っても、車種や保険会社によって大きく異なるという事がわかります。
未成年の自動車保険料が高い理由
なぜ未成年の人の保険料が高くなるのか、その理由を3つ挙げます。
- 未成年は事故を起こす確率が高いため
- 18歳~20歳までは年齢条件の適用外なので割引がないため
- 初めて自動車保険に入る時は6等級からのスタートで割引がないため
未成年は事故を起こす確率が高いため
未成年者は運転の経験が浅い事もあり、事故を起こす確率が他の年代に比べてダントツに高くなっています。
保険というのは保険金の支払いリスクが高い人は高い保険料、逆にリスクの低い人は安い保険料にする事によって、公平性を保っています。
- ・年齢別死亡事故発生率(平成27年度)
- 15~19歳 : 14.7%
- 20~24歳 : 6.2%
- 25~29歳 : 4.6%
- 30~39歳 : 6.5%
- 40~49歳 : 6.7%
- 50~59歳 : 7.8%
- 60~69歳 : 7.6%
- 70~79歳 : 11.8%
18歳~20歳までは年齢条件の適用外なので割引がないため
自動車保険には、運転する人の年齢条件を付ける事で、保険料を割引きする制度があります。
一般的な区分や割引率の例をご紹介します。
- 全年齢対象 : 割引率0%
- 21歳以上 : 割引率20%
- 26歳以上 : 割引率30%
- 35歳以上 : 割引率60%
このように運転する人の年齢が高いほど、割引率も高くなります。
未成年者は全年齢対象となり、割引がないため保険料がどうしても高くなるのです。
またゴールド免許を持っている人が受けられる「ゴールド免許割引」も、免許を取ったばかりでグリーンやブルーの免許証である未成年の間は受けられません。
初めて自動車保険に入る時は6等級からのスタートで割引がないため
自動車保険には1~20までの等級というものがあり、1年間事故がないと翌年等級が1つずつ上がる事になっています。
逆に事故を起こして保険を使ってしまうと3つ等級が落ちてしまいます。
等級が上になるほど、保険料は割り引かれて安くなります。
初めて自動車保険に加入する時は、6等級からスタートする事になっていて、割引はありません。
保険を使って6等級以下になってしまうと、保険料は更に高くなりますので、事故を起こすことのないようにくれぐれも注意する必要があります。
事故で保険を使ってしまうと等級が下がってさらに保険料が上がってしまうので、事故には要注意ですね。
保険料を少しでも安くするには
- 親の車を運転する。
- 車両料率クラスが低い車を選ぶ。
- 車両保険は付けない。または最小限にする。
- 通販型自動車保険を選ぶ。
- 親の等級を引き継ぐ。
- 1日自動車保険を利用する。
それぞれについて、具体的に見ていきましょう。
親の車を運転する
未成年の間は、自分の車を持たずに家にある親の車を運転するという方法です。
ただしその場合、親が加入している自動車保険の運転者範囲や年齢条件を、子供でも運転できるように変更する必要があります。
今まで親だけが運転していた場合、基本的には運転者範囲は「本人限定」もしくは「配偶者限定」に、そして年齢条件は35歳以上となっている事がほとんどであると考えられます。
しかし未成年の子どもが運転する事になったら、運転者範囲は「家族限定」、年齢条件は「全年齢対象」にする必要があります。
ただし、その分親が支払う保険料は高くなりますので、親には感謝の意を伝えるべきです。
尚、運転者範囲を家族限定にしていれば、別居の子どもでも未婚であれば補償が受けられます。
車両料率クラスが低い車を選ぶ
自動車保険の保険料を決める要素のひとつに「車両料率クラス」というものがあります。
料率クラスは1~9までに分かれており、数字が小さいほど事故が起こるリスクも小さいと判断され、保険料も安くなります。
例を挙げると、プリウスなどに比べスポーツカータイプの車は、スピードが出る分事故を起こしやすく、また修理代も高くなる事が多い事から、料率クラスは高くなります。
未成年の方が車を購入する場合には、できるだけ料率クラスが低い車を選ぶ事で、保険料を安く抑える事ができます。
また軽自動車は現在料率クラスが設定されていないので、軽自動車を選ぶという選択肢もあります。
車両保険は付けない。または最小限にする
自動車保険の保険料の中で、車両保険が大きな金額を占める事が多くなります。
運転技術が未熟である未成年の方は、ぶつけたりこすったりする可能性も高いので、車両保険に入っておきたいという方も多いかもしれませんが、車両保険を付ければかなり保険料が上がってしまいます。
また車両保険を使って車を修理すれば、翌年の等級が下がって保険料は更に高くなります。
ですから、少々の金額であれば自己負担で修理する方が得な場合もあります。
多少傷が付いても気にならない程度の車に乗るという選択肢もあります。
どうしても車両保険を付けたい方は、事故が起きた時に自己負担となる免責金額を、高めに設定する事で、保険料を安く抑える事も可能です。
また車両保険には、「一般型」「エコノミー型」があり、そのうち補償の範囲が広いのは一般型で、自損事故や当て逃げでの修理にも保険を使う事が出来ますが、その分保険料は高くなりますので、エコノミー型を選べば保険料は安く抑えられます。
参考にしてください。
一般型 | エコノミー型 | |
---|---|---|
他の自動車との衝突 | 〇 | 〇 |
盗難 | 〇 | 〇 |
火災や爆発 | 〇 | 〇 |
台風や洪水や竜巻や高潮 | 〇 | 〇 |
いたずらや落書き | 〇 | 〇 |
飛来物や落下物 | 〇 | 〇 |
当て逃げ | 〇 | ✕ |
自損事故 :電柱やガードレールに衝突 | 〇 | ✕ |
自損事故 :転覆や転落 | 〇 | ✕ |
自転車との衝突や接触 | 〇 | ✕ |
通販型自動車保険を選ぶ
自動車保険には通販型と代理店型があり、代理店型の方が保険料は一般的に高いです。
なぜなら代理店型の自動車保険は、店舗を持つ経費や人件費の他、代理店への手数料などが、保険料に上乗せされているためです。
ですから少しでも安い自動車保険に加入したいと思ったら、通販型の自動車保険を選んだ方がいいでしょう。
親の等級を引き継ぐ
先程自動車保険の等級が高いほど保険料は安くなるというお話をしましたが、その等級は親から同居の子供に引き継ぐことができます。
例えば親が20等級で、子供が新たに6等級で保険に加入した場合、加入した後に契約車両を入れ替える事で、子供の車を20等級にする事ができます。
親が6等級になる事で保険料は上がってしまいますが、親は年齢も高いので年齢条件による割引を受けられるため、トータルで見れば支払う保険料が安くなります。
ご確認ください。
子供が親の20等級を引き継いだ場合 | 子供が6等級で新規に保険に加入した場合 | |
---|---|---|
親の保険料 | 8,690円/月 | 3,970円/月 |
子供の保険料 | 8,700円/月 | 19,040円/月 |
親と子供の保険料の合計 | 17,390円/月 | 23,010円/月 |
1日自動車保険を利用する
1日単位で加入できる自動車保険があります。
例えば月に何回かしか車には乗らないという場合に、その時だけ1日自動車保険をかけるという方法です。
保険料は500円~となっていて、手軽に加入する事ができます。
ご覧ください。
- ・東京海上日動・ちょいのり保険
- 1日500円で対人・対物賠償、人身傷害保険の補償
- 車両補償ありの場合は1日1,000円
- スマートフォンで手続き
- 無事故で利用した期間に応じて、通常の自動車保険加入時に割引あり
- ・三井住友海上・1DAY保険
- 保険料500円・1,500円・1,800円の3つのパターンから必要な補償を選ぶ
- セブンイレブンの端末で手続き
- 2回目以降の利用で割引あり
- 1台の車を複数人で運転する時、2人目から割引あり
- ・あいおいニッセイ同和損保・ワンデーサポート
- 複数回利用で割引あり
- 無事故割引あり
- スマートフォンで手続き
未成年の自動車保険料と使える割引
- 18歳の平均保険料 : 286,780円
- 19歳の平均保険料 : 188,900円
- 20歳の平均保険料 : 146,920円
このように免許取り立ての18歳の自動車保険の保険料の平均は、なんと30万円近くとなっていて、簡単に加入できる金額ではありません。
少しでも保険料を安くするために、未成年でも受けられる割引制度を最大限使うようにしましょう。
セカンドカー割引
家族が車を持っているなら、2台目以降の車はセカンドカー割引を受ける事ができます。
セカンドカー割引を受けると、通常6等級からとなる等級が、最初から1等級上がって7等級からスタートできます。ですから、その分自動車保険の保険料は安くなるのです。
ただし、セカンドカー割引を受けるには、次のような条件があります。
- 1台目の車の等級が11等級以上
- 新しい車の契約の記名被保険者と車の所有者は個人である
- 2台目以降の記名被保険者と車の所有者が、1台目の記名被保険者の配偶者または同居の親族である
- 1台目の車と2台目以降の車の用途車種が自家用8種である
新車割引
新車割引は、自動車保険を契約する車両が初年度登録から25カ月以内だった場合に、保険料が割り引かれるものです。
新車割引は全ての保険会社では導入していません。
ですから該当する車を購入した場合には、新車割引のある保険会社を選んで加入すると、保険料を安く抑える事ができます。
未成年が自動車保険を選ぶ時には
ここまでお話したように、未成年が自動車保険に入る時には、高い保険料を支払う事が必要です。
その中で少しでも安い保険料の保険会社を選ぶためには、一括見積サイトを利用するのがおすすめの方法と言えます。
同じ補償内容であっても、保険会社によって保険料は様々ですし、ロードサービスなどの付帯するサービスにも違いがあります。
1回入力する事で、複数の会社の保険料やサービス内容がわかるので、その中から最も自分に合っている、安い保険を見つける事ができる可能性が高くなります。
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