交通事故が起きたら、警察に連絡し、警察が到着した後に、被害者、加害者、目撃者がいる場合は目撃者も含めて、実況見分が行われます。どういった事故であったかを実況見分調書として記録されます。
実況見分調書は重要な役割を果たします。刑事裁判での証拠はもちろん、民事裁判においても交通事故当事者同士の過失割合を決定する際の証拠となります。
損害賠償金額は交通事故の過失割合と損害額によって決定されます。例えば、5000万円の損害があると認められたとしても、過失割合が50対50であったら2500万円しかもらうことができません。
損害賠償金額と密接に関わっている過失割合を決める際は実況見分が重要視されるので、被害者であっても、例え、加害者であったとしても自分の主張すべきことはしっかりとするようにしましょう。目撃者がいるケースは目撃者の証言も重要ですが、いないケースは当事者の発言が重要です。
ケガ人もいなく軽い事故であればあるほど、もしかしたら、交通事故の加害者側から「警察を呼ばずに示談でお願いできないか?」と言われるかもしれません。しかしながら、交通事故が起きたにも関わらず、警察を呼ばなかったとしたら、当然、記録が残らないので、必ず、警察を呼ぶようにして下さい。
実況見分の際のポイント
【ポイント】
実況見分において、自分が不利になるからといって嘘をついてはいけません。加害者の場合は特に、何とか自分の責任を軽くしようと嘘をついたり、ごまかしたりすることがあるので注意が必要です。ありのままを話すようにし、自分が不利にならないように偽るのはやめてましょう。
もしも、交通事故を起こした相手からお酒の匂いがした場合や、信号無視で突っ込んできて事故が起きた場合、対向車線にはみ出てきてぶつかった場合など、あからさまな交通違反があったときは必ず、警察官に主張するようにしましょう。例え、警察が来るまでの間にお酒の匂いがしなくなっていたとしても、事故直後に匂っていたのなら伝えるようにしましょう。
あなたが交通事故の被害者で負傷して、救急車等で病院に運ばれていたとしたら、実況見分は加害者と警察官とで行われることになります。意識がないような状態ではどうしようもありませんが、そうでなければ、どのように事故が起きたかといった事故の状況などをメモとして残しておくようにしましょう。人間の記憶は曖昧なので、間違って記憶してしまったり、忘れてしまうことがあるからです。
事故の被害者の過失が100%と判断されれば、賠償金額を受け取ることはできません。「そんなことはないんじゃ?」と思うかもしれませんが、例えば、酔っ払ってしまい道の真ん中で寝てしまった場合などが挙げられます。
事故の被害者が死亡してしまった場合は、「死人に口なし」状態で加害者の主張だけがまかり通り、被害者の過失が大きくなってしまうことがあります。このような事態を避けるためには、被害者の遺族は事故の目撃者を探すようにしましょう。
- 交通事故に遭い、目撃者を発見することができたけど、その目撃者の方が時間がない場合などは、事故の状況を記したメモを書いてもらい、署名してもらうようにしましょう。また、連絡先も聞いておくようにしましょう。
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