交通事故を起こしたとき、加害者には刑事責任、民事責任、行政上の責任を負う義務が生じます。
刑事責任
刑事上の責任とは、自動車運転死傷行為処罰法による「危険運転致死傷罪」「過失運手致死傷罪」等に定められた刑事罰です。
飲酒運転や無免許運転を繰り返す悪質なドライバーに対して旧来の刑法では処罰できないケースがあり、平成25年に制定されました。
また、危険運転、例えば飲酒の事実を免れようとして発覚した場合には、さらに発覚免脱罪が科されます。
行政責任
ちなみに、行政処分は人身事故の場合が対象で、車同士の物損事故では行政処分を受けることはありません。
また、行政処分を受けている期間中に運転をすると無免許運転になるので、事故を起こした場合は刑事責任を問われます。
なお、刑罰はありませんが、自動車損害賠償法(自賠法)には自動車損害賠償責任が定められており、人身事故の加害者はこの責任を負うことになります。
自賠法では、「自己および運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかったこと、被害者または運転者以外の第三者に故意または過失があったこと、自動車の構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと」を証明しない限り、加害者に賠償責任が発生します。
自動車保険のうち、自賠責保険(自動車損害賠償保険)については、自賠法の第三章に定められ、原付バイク、オートバイ、軽自動車から乗用車まで、農耕用の小型特殊自動車を除くすべての自動車に加入が義務付けられています。
さらに1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
しかし、もっと重大なことは自賠責保険が失効した状態で事故を起こした場合です。
ふつう自動車保険は自賠責保険の補償を前提としているので、自賠責の補償範囲である死亡事故3000万円、後遺障害4000万円が支払われず、自己負担になってしまいます。
このようなことがないように、更新時期である車検期間より、自賠責保険を1か月長く加入しておくケースもあります。
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