なぜ男女によって損害賠償額は違うの?

交通事故
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後遺症が残る事故であったり、亡くなってしまう事故の際の「逸失利益」を割り出すためにはどのような方法を使うのでしょうか。
まず事故にあった人の「基礎収入」から「生活控除率」を差し引きます。そしてそれに「ライプニッツ係数」を掛けることによって割り出すのです。

最初に挙げた「基礎収入」とは事故に合った人の、「事故前の年収」を指します。
しかし、未成年の人や専業主婦の方はなどは、身入りを証明することが難しい立場であると言えます。
そういった方の基礎収入を算出するために用いられるのが「賃金センサス」なのです。
しかしこの数値は、男女によって思いの外、開きがあるのです。

では、ここで「2011年」の賃金センサスを見てみましょう。

ご覧の通り、男性と女性で比べてみると、およそ「170万円」の開きがある事が分かりますね。

過去に女性の逸失利益を算出するために、「男女を合わせた賃金センサス」が用いられたケースもありますが、基本的には女性の方の賃金センサスを割り出す際には、「女性用」を用いるため、男性より低額となるのです。

事故後の生活費について

基礎収入と同じように男性と女性によって「生活費控除率」にも差があります。
これは実際に亡くなるまでの期間生きた際の生活費を指します。

交通事故に遭った際、死には至らず生存した場合は、間違いなく生活費が掛かってきますね。
よって損害賠償の基準額は「収入-生活費」で成り立ちます。これを算出する際に採り入れられるのが「生活費控除率」なのです。

ではこの「割合」について詳しく見ていきましょう。

独身の女性の場合は「30%」の生活費控除率、そして独身の男性の場合は、「50%」の生活費控除率が原則として定められています。
よってこの制度では女性の方がメリットがあると言えるかもしれません。

その他には、もし事故によって顔にキズが残ってしまった場合は、男性より女性の方が「後遺障害等級」が重くなるケースもあります。
現代社会において「男女の平等化」は進められていますが、こういった交通事故の逸失利益については今後も男女によって差が出ることが考えられます。

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