一般的に自動車保険は1年契約が多くなっていますが、中には2~3年、または7年など長期に渡る契約のもの出ています。
1年ではなくて長期間の契約にする自動車保険はもちろんメリットもあるのですが、反面デメリットも存在するのが事実です。
参考にして下さいね。
お任せください。
長期契約の自動車保険 4つのタイプ
長期契約の自動車保険は、主に2つの販売ルートで販売される保険商品です。
ひとつは自動車ディーラー代理店、そしてもう一つは保険代理店、これらどちらも代理店型の損害保険会社の取り扱いです。
販売されている自動車保険の内容は、もちろん保険会社によって様々であり、保険料もまちまちです。
各社が取り扱っている通常の自動車保険の商品に、長いスパンで契約することの特約を付与していて、その特約の内容も全て異なるものです。
・保険期間は2~7年・事故があっても保険料の変更なし
・保険期間は2、3年・事故があっても保険料の変更なし
・保険期間は2、3年・事故があったら保険料変更
・保険期間は2~5年・自動車ローンに組み込まれ事故があっても保険料の変更なし
元々、保険会社ごとで差はそれほどありませんでしたが、ノンフリート等級別料率の事故有係数が2012年10月に導入されて後、事故があったかなかったかによって保険料に大きな差が生まれる事になり、その時に各社の対応が分かれたため、いくつかのタイプに分かれる事になりました。
取り扱いの制限や保険期間の制限にはじまり、特約内容の新設や変更まで、保険会社と代理店の関係によっては、販売するかしないかの問題にまでなったようです。
損害保険 長期契約のメリット
損害保険や火災保険には、積み立て型や掛け捨て型どちらであっても3年や5年の長期契約がありますが、それらは全て1年契約の場合の保険料を基に計算されます。
例えば火災保険などは、住宅ローンを組む際に契約する事になるというケースもあるため、10年以上の長期契約になる場合もあります。
そして契約期間が長ければ長いほど、保険料は割安になって行きます。
これが1つ目のメリットです。
2つ目のメリットと言えるのは、1年ごと契約だとその都度更新手続きが必要ですが、長期契約ならその手間が省け、更新の手続きを忘れるという事もないという点です。
このような通常の火災保険や損害保険と、自動車保険では多少事情が異なってきます。
なぜなら自動車保険の場合は、事故が遭ったか遭わなかったかで保険料が変わってくるシステムになっているからです。
単純に長期間契約すれば、保険料が安くなるというわけにはいかず、多少複雑になります。
長期契約による割引率もわずかであり、メリットをあまり感じないと思われるかもしれません。
しかし、自動車保険の長期契約には大きなメリットがあると、かつて注目された時期がありました。
長期契約の自動車保険が人気だった理由
長期契約の自動車保険が販売され始めた当初、大きなメリットとして注目されたのが、等級がダウンするような事故を起こしたとしても、保険料が上がらないという事でした。
年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 |
---|---|---|---|---|
3年契約 | 7等級 | 7等級 | 7等級 | 6F等級 |
1年契約 | 7等級 | 4等級 | 5等級 | 6F等級 |
このように初年度に事故を起こしても、長期契約では1年の契約と比べて2年目と3年目に等級が下がらず、保険料が上がらないので、トータルの保険料が安く済む事になります。
ただしこれは等級が下がるような事故を起こし保険を使った場合の話であり、もし保険を使わなければこのメリットは生じない事になります。
また、これは同じ保険会社の中で比べて保険料が抑えられるという話なので、もしネット契約の自動車保険の料金と比べた場合には、それほどの差はないかもしれません。
というのも、ネット型の自動車保険の保険料は、代理店型のものと比べて、安くなっている事がほとんどだからです。
例えばネットの一括見積りなどを利用して、保険料を調べてみるのもよいかもしれません。
補償内容が各社違うので一概には言えませんが、もしかしたらそれによって保険料を抑えることができる可能性もあります。
自動車保険の長期契約は、加入者だけではなく保険会社や代理店側にも大きなメリットがありました。
それは一度契約をすれば、基本的に契約期間中は顧客が他社に流れる心配がないという事です。
ネットでのダイレクト型の保険に料金面で押されつつある代理店としては、特に大きなメリットと言えます。
東日本大震災や景気の低迷など、様々な要因から保険料が度々上がり、また等級制度の改定もあったため、保険期間の間は同一保険料である長期契約の自動車保険が多くの人の注目を集めるようになっていきました。
しかし、事故を起こして保険を使ったとしても、保険料が上がらないというシステムは、保険期間が1年の契約者との間の公平性が保たれていないという事が問題視されたり、長期契約期間中に2度3度と事故を起こすような契約者も出て来るようになった事で、様々な歪みが出て来てしまったのです。
事故を起こした契約者は、契約期間中には保険料が上がらないためそのままですが、契約を更新する時期になると、もっと保険料が安いネット型の自動車保険に切り替えるというような流れも出て来てしまいました。
更新時にネット型の保険にシェアを奪われてしまうので、代理店型の保険会社にとって、長期契約は自分で自分の首を絞める形となってしまいました。
その結果、多くの保険会社が保険期間を短縮したり、契約期間中でも保険料を変更したりといった策を講じ、長期契約のメリットのほとんどない、魅力のない商品になってしまったのです。
自動車保険長期契約のデメリット
一昔前には、保険代理店が競って販売していた長期契約の自動車保険ですが、ここのところ積極的には販売されないようになってきました。むしろ売りたくないと考えているのが伝わってきます。
長期契約の自動車保険が多くの人に注目された最も大きな理由は、等級がダウンするような事故を起こしてしまって保険を使ったとしても、契約期間中であれば次年度も保険料が変わらないという事でした。
そして更新手続きの手間が省け、また忘れる事がないのもメリットの1つでした。
しかし、このようにいい事ばかりのようでも、実際事故を起こせば契約が満期になった時には等級はダウンし、保険料も上がります。
保険料が上がらないという事に着目し過ぎて、不用意に何度も保険を使ってしまったような人は、満期になって更新する時に大幅な値上げになってしまうという事もあるようです。
長期契約であっても1年契約の場合と同じ意識を持っていないといけないと言えます。
長期契約の自動車保険の中でも、契約期間中に事故があり保険を使った場合は翌年以降保険料が上がるタイプのものもあります。
長期契約であっても途中で保険料が上がるというタイプの保険のメリットにはどのような点があるのでしょうか。
・更新忘れがなく、保険年度ごとにお知らせのはがきが届く
・等級ダウンの事故がなければ、1年契約の保険より保険料が安い
・契約時にゴールド免許であれば、契約中割引が継続する
同じ保険会社の中で比較すると、1年契約の保険よりも無事故でも有事故でも保険料は安くなります。
ただ、そこまで割引率は大きくないのが現状です。
長期契約自動車保険が向いている人は
・保険料が高くて事故の発生する可能性が高い低年齢の人
・概ね10等級以下で、一事故での等級ダウンの影響が大きい人
・契約時の内容からの変更の可能性がない人
・20等級以上で、これ以上は保険料が安くならない人
・毎年更新手続きをするのが面倒だという人
いずれにしても、保険契約者の条件や年齢、また価値観や金銭感覚の違いもあるので、一概に絶対これがいいという事はできません。
いくら保険料が安くても、実際事故になった時の補償内容が不足していれば、結果として高くつくという事もあるかもしれませんし、事故後の手続きなどを自分でやる事を考えれば、多少高くても代理店に全て任せられる方がよいと考える方もいるのではないでしょうか。
ネット型のダイレクト保険は安くて魅力ではありますが、保険は補償を買うものであり、保険料の安さだけで選ぶのは得策とは言えないかもしれません。
1つの候補として、補償が手厚い代理店型の長期契約自動車保険を考えてみて下さい。
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