自動車を購入する際にはカタログ燃費に注目してその後の維持費を少しでも安く抑えようとする方は多いですが、この燃費を表わす燃費測定方法は2種類のモードが存在します。
それぞれ以下で説明していくので参考にして下さい。
10.15モードとは
10.15モードとはかつて国内の自動車の燃費測定方法として用いられていたもので、2011年まで測定に際して利用されていました。
この測定方法は市街地や郊外などでの走行を想定して、燃料1リットルでどれ位走る事ができるのか走行距離の測定を行ないます。
これ以前の測定では60km/hの一定速度での走行中の燃費を用いていたのですが、カタログ燃費と実際の走行では数値に大きな隔たりが生じるようになりました。そこで10.15モードでは一定速度での計測ではなく、実際に市街地で走行する際に生じる10項目の走行パターンを踏まえた計測を行なうようになり、更に1991年からは15項目の走行パターンに増えた事でより実態に近い数値を計測できるようになったのです。
名称にある10と15の数字は都心部と郊外でのパターンを表わしており、10モードでの走行パターンは都心部にある靖国通りを、また15モードについてはやや都心から離れ郊外にある甲州街道での走行パターンをそれぞれモデルにしています。
JC08モードとの違いについて
続いてJC08モードとは、1991年より新たに利用されるようになった燃費測定方法で、現行で用いられている測定方法である点がまず大きな違いとして挙げられます。
この測定方法では以前より厳しい基準が設けられており、これまでよりも実際に走行した場合の燃費に近づいた事が大きな特徴として挙げられます。
まず10.15モードでは測定を開始する際にエンジンが暖まった状態から計測を行い、平均速度は22.7km/hで最高速度は70km/h、計測に掛かる所要時間については660秒、計測する走行距離は4.165kmと規定されていました。
しかし新たに使われるようになったJC08モードの場合は、上記のいずれの項目においてもより厳しい基準が適用されています。
まず測定を開始する際にはエンジンが冷えた状態からの出発になり、平均速度は24.4km/hで最高速度は81.6km/hといずれも速くなり、計測に掛かる所要時間は1204秒、計測する走行距離は8.172kmとこのあたりの数字は2倍ほどに大きく伸ばされています。
こうした違いは道路上で実際に運転する際の燃費にカタログ燃費が大きく近づく結果になり、自動車を購入する際にはより分かりやすい表示になったのです。
カタログを見る際は「10.15モード」よりも「JC08モード」の方が参考になるでしょう。
ただ、「JC08モード」でも実燃費よりいい数字が出ているので、過度な期待はしないようにしましょう。
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