自動車保険が補償するのは?基本的な仕組みについてご存知ですか?
わかりやすく教えてほしいの・・・
それではこのページでは自動車保険で補償される内容と、基本的な仕組みについて解説します。
自動車保険が補償するのは?基本的な仕組み
自動車保険と言うのは、簡単に言えば自動車の事故が起こった時に発生した損害を補償するものです。
しかし一言で「自動車事故で発生した損害」と言いますが、損害には様々な種類のものが考えられます。
ですから自動車保険での補償は、どんな事故によって、どれだけの損害が発生したケースで、どのような補償が受けられるのかが、詳細に決められています。
補償には大きく分けると6つの種類があり、この6つの補償と特約を組み合わせて自動車保険は成り立っています。
補償の中には自分で希望してオプションとして付ける性質のものもあり、それによって保険料も変わって来ます。
その6つの補償について詳しく見て行きたいと思います。
相手の怪我や死亡を賠償する『対人賠償保険』
車を運転している時に、万一相手を死傷させるような事故を起こしてしまった時には、損害賠償を支払わなければいけない事になってしまいます。
自動車を持つ時には必ず入ならいといけない事になっている「自賠責保険」と言うものがあり、そこからの補償はあるものの、たいていの場合賠償額は自賠責保険の上限である3,000万円より高額になってしまう事がほとんどです。
その時その超えた部分を補償するために加入するのが、こちらの「対人賠償保険」になります。
尚、他人に対して与えた損害を補償すると言うのが対人賠償保険の性質なので、例え事故を起こした運転者本人が死傷してしまったとしても、こちらの保険で補償はされません。
また配偶者や同居の親族が死傷した場合にも、他人とはみなされないため補償はされません。
相手の車などの物損を賠償する『対物賠償保険』
対物賠償保険と言うのは、相手の車等の物に対して発生する損害賠償を補償する保険です。
車同士の事故によって相手の車が破損してしまうケースや、家屋などに衝突して破損させてしまったケースなどで補償されます。
また直接被害だけではなく、間接被害に対しても補償は支払われます。
例えば店舗などを壊してしまってその店が営業出来なくなった場合などには、修理をして営業できるようになるまでの間の、営業上の損害に対しても補償されるのです。
この間接被害も補償する事を考えると、対物賠償の額と言うのはかなり大きくなる可能性があると言えます。対物賠償は自賠責保険では補償されないため、重要な補償と言えるでしょう。
この対物賠償保険も補償されるのは他人の持ち物や財産のみです。
自分の家の車庫などに車をぶつけて壊してしまったケースなどは補償される事はありません。
「対人賠償保険」と「対物賠償保険」は、どんな自動車保険にも必ずセットされており、自動車保険の要と言えるものです。
補償額は上限を設定する事も可能ではありますが、ほとんどの方は無制限を選択すると思います。
対人賠償や対物賠償は状況次第ではかなりの高額になる事が考えられますから、無制限にする方が安心ではないでしょうか。
補償は無制限に設定する人が多いのも頷けます。
相手の保険が不十分な場合の補償『無保険車傷害保険』
こちらの無保険車傷害保険は、自分が自動車の事故で被害者になった時に使う保険です。
義務化されている自賠責保険とは違って、任意保険の方は強制ではないため、中には加入しないと言う人もいるのが実情です。
運悪くそう言った運転手が運転する車との事故に遭ってしまうと、自賠責保険のみでは十分な補償を受ける事が出来ない事になってしまいます。
また当て逃げやひき逃げのようなケースで、相手がわからず補償を請求できないと言う事も考えられます。
こう言った相手の保険が十分でないケース、または使えないケースでも、必要な補償を受けるためにあるのがこの無保険車傷害保険であり、基本的にはどんな自動車保険にも付帯されています。
補償額は対人賠償の額で決まります。
対人賠償が無制限であれば2億円になり、2億円以下であれば対人賠償と同額となります。
相手がいない事故の補償『自損事故保険』
例えばガードレールや電柱などに衝突してしまう等で自分の車が壊れたり自分が怪我をしてしまったりした時に、補償を受ける事ができるのがこちらの自損事故保険になっています。
このような場合は対人賠償補保険は使えず、こちらの自損事故保険で補償を受けます。
自損事故保険の補償額は定額制になっています。
例えば死亡時には1,500万円や、怪我で入院した場合1日6,000円などと決められています。
補償としてはあまり大きなものではありませんが、これがないと自損事故を起こした際に何の補償もない事になってしまいますので、多くの保険商品にはこの保険が付いています。
しかし人身傷害補償保険が付いていれば、自損事故についてもカバーできるという事で、最近はこの部分は外すことが出来る保険も増えているようです。
車に乗っていた人の怪我などを補償する『搭乗者傷害保険』
運転者や同乗者などの、車に乗っていた人が死傷した時に支払われるのが、こちらの搭乗者傷害保険です。
先程のご説明通り、運転していた自分自身や同乗の家族などの怪我は対人賠償保険では補償されないので、それらは搭乗者傷害保険でカバーします。
この搭乗者傷害保険の補償の仕方には2種類あり、そのひとつめは身体のどの部分にどんな怪我を負ったかの「部位・症状別」に定められている額の支払いがされる方法、そしてもうひとつは治療に掛かった日数等を基準に支払いがされる方法です。
最近の傾向としては「部位・症状別」に定額の支払いがされる方が多くなっているようです。
例を挙げると定員オーバーで事故になったケースや、大きく窓から乗り出すなどして怪我をしたケース等では補償は支払われません。
自分自身が受けた損害の補償には『人身傷害補償保険』
搭乗者傷害保険と同じように感じますが、いくつかの特徴がありますので、搭乗者傷害保険とは分けて説明します。
事故で自分自身が損害を受けた時に補償するのが人身傷害補償保険です。
まず大きな特徴としては、こちらの人身傷害補償保険は過失割合には関係なく補償されるという点があります。
ですから詳しい事故原因を調べたり示談を待ったりする事なく、すぐに保険金が支払われます。
また自分が被害者であったとしても、多少自分にも責任がある場合には相手から支払われる補償は減額されてしまいますが、この保険に入っていれば必要な補償を受ける事ができます。
この人身傷害補償保険は近年重視される傾向があり、こちらの保険に入る事で搭乗者傷害保険を付けないと言う選択もできる保険もあります。
ですがこの保険で支払われるのは実際に掛かった治療費のみなので、支払いの額は搭乗者傷害保険の定額制の方が大きくなる事が考えられます。
ただ死亡の際の補償はほとんどの場合、人身傷害補償保険の方が大きくなります。
ですから両方の保険に加入すれば補償に漏れはなくなりますが、保険料との兼ね合いもありますので、検討が必要と言えるでしょう。
車の修理費用などの補償『車両保険』
この車両保険はここまでにご説明した6つの保険とは少々性質が異なっています。
ここまでの保険は事故が起きた際に発生した損害を補償するものですが、この車両保険は契約者の所有する車両そのものに掛けられる保険です。
具体的に言いますと、車両に損害が及んだ際に補償される保険であり、交通事故に限らず車体に悪戯で傷つけられたりしたケースや、車が盗難にあったケースなどでも補償されます。
補償される額は、その時点での車の市場価値によって異なって来ます。
購入してから年月が経っている車両の場合には、補償額は低くなってしまいます。
車両保険は原則オプションになっているので、この部分の補償を付けるか付けないかは自分で決めることが出来ます。またあまりに古い車両だと保険会社によっては車両保険を付けられないと言う場合もあります。
いずれにしても車両保険を付ければ保険料は上がる事になりますので、車の市場価値とのバランスを考え加入する意味があるのかを検討する事が必要と言えます。
また車両保険は補償の範囲を選ぶ事が出来るものもあります。
事故のみの補償や、盗難や悪戯にも対応するものなどがありますが、当然カバーする範囲が広ければ保険料もその分高くなります。
さらに免責金額を設定する事によって、保険料を抑える事が可能である保険も存在します。
免責金額と言うのは、損害の額が一定の額に至らない場合、補償しないと言うものです。(免責については免責・免責事項とはどういう意味ですか?で詳しく解説しています。)
自分の貯金などで賄えそうな金額の場合には保険を使わないと言う選択をすれば、保険料が安く抑えられるという事です。
でも保険料が上がってしまうので、車の市場価値とのバランスや免責といった補償の範囲を設定することで保険料を調整することも大切なんですね。
その他特約
これに加え、各保険会社では様々な特約をオプションで付ける事が出来るようになっています。
例えば実際に事故が起こってしまった時に、弁護士に相手側との示談の交渉をお願いしなければいけなくなった際に、その時の費用を補償するような弁護士費用特約や、契約者やその家族がバイクも所有している時に、そちらの補償もついてくる特約、また契約者や家族が車とは関係なく、他人に損害を与えてしまった際の損害を賠償する特約などがあります。
またほとんどの保険会社が行っているサービスとして「ロードサービス」というものがあります。
バッテリーが上がってしまった、路上でガス欠を起こしてしまった、鍵を入れたままドアを閉めてしまった、脱輪してしまった、などの様々なトラブルに対して現場まで来て助けてくれるサービスです。
サービスの内容は保険会社によって微妙に異なって来ますので、そこの部分の充実さなども保険選びのポイントとなるかもしれません。
ありがとうございます。
あとは保険会社を選ぶだけですね。
すぐ契約を考えていない場合でも、相場を知っておくことは大切ですので、お早めにご利用してみて下さい。
もちろん、ご利用は無料ですのでお気軽にどうぞ!
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