駐車中の車があると、その分道路が狭く見通しも悪くなり、交通事故に繋がりやすくなります。
では違法駐車が原因の交通事故の補償はどうなるのでしょうか。
違法駐車車両に追突した場合の補償
特に人身事故の被害者は自賠法3条の運行供用者責任により保護され、追突した車の保有者や運転者に補償を求める事ができます。
駐車禁止区域に駐車中の車に追突した場合も相手は停車中ですし、追突した側に運行供用者責任があります。
ただ、追突された違法駐車車両の保有者や運転車にも運行供用者責任があるので、過失割合は9:1ぐらいになる事が多いようです。
追突した側のケガの治療費は違法駐車側の対人賠償が10%しかないですが、追突した側の人身傷害保険特約があれば、その範囲内で全額補償されます。
違法駐車側の車の修理費の90%は、追突した側の対物賠償責任保険で補償されます。
追突した側の車の修理費は相手の補償額の10%しか期待できませんが、追突した側に車両保険があれば全額支払われます。
基本的に補償を相手から受け取る場合は相手の過失割合が、相手に補償する場合は自分の過失割合が適用されます。
過失相殺による補償は保険会社同士で話し合って決まる事が多く、裁判になると民事交通訴訟における過失相殺率等の認定基準が参考にされるようです。
違法駐車車両が原因で起きた他の車両等との事故の補償
違法駐車車両の陰から飛び出した人をはねたり、違法駐車車両を避けようとして対向車と衝突する事もあります。
その場合、交通事故の原因に違法駐車車両も関わっている、つまり共同不法行為に該当するので、事故後はその車の保有者に立ち会ってもらいます。
保有者不在の場合はナンバーを控えておきます。
共同不法行為とは民法719条1項に定められたもので、最初に人をはねた後、後続車も轢くような事故も該当します。
被害者に対しては、過失割合に応じた対人賠償保険による補償をしますが、被害者は、はねた車側と違法駐車側の両方あるいは片方に全額分の補償を請求する事ができます。
両方に請求された場合、過失割合に応じた補償額を支払うことになります。
このような事故を防止するためにも、駐車中の車を見かけたら、より慎重な運転を心がけるようにしましょう。
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