自動車保険は、自分の今いる環境に合った内容のものに入る必要があります。
現在入っている保険が、自分に合った保障内容になっているか、ライフステージが変わるタイミングなどには、一度見直すようにしましょう。
自動車保険を変更する、という言葉には「自動車会社を変更する」という意味と「保障内容を変更する」という2つの意味があります。
こちらでは、その2つの変更の両方について、それぞれ解説していきたいと思います。
保険会社を変更する
満期日に変更
保険会社を変えるタイミングとして最も適しているのが、今の保険が満期になる時と言えます。
満期日に変更すれば、手続きなども最小限で済みます。
満期日が近づいてきたら、いくつかの保険会社から見積もりを取って、保障内容や保険料を比較するといいでしょう。
新規の契約と現在の契約
新しい保険に加入する契約日は、現在の保険が満了する日にします。
それがずれてしまうと、二重保険になったり無保険期間ができてしまったりします。
満期日に変更する場合には、次年度は継続しない旨を連絡するだけで、解約の手続きは必要ありません。
自動継続特約が付いている場合
自動継続特約というのは、契約者から連絡がなくても基本的に同じ保障内容で自動的に次年度も契約を継続するというものです。
保険料の支払いがなされなければ、その契約は取り消されますが、マナーとしてこの特約が付いている場合には、事前に必ず次年度は継続しない旨の連絡をするようにしましょう。
等級の引継ぎ
現在の自動車保険の等級は、次の会社でも引き継ぐことができますが、それには条件があります。
それは保険の満了日または解約日の翌日から7日以内に、新しい保険に加入するという事です。
それを過ぎてしまうと、等級は引き継げず6等級から再びスタートになってしまいます。
ですから保険期間が途切れる事にないように、気を付けて契約をするようにしましょう。
満期日の前に変更する場合
また、保険料も損をしてしまう可能性があります。
満期日を待たずして保険会社を変更したいという場合、気を付けなくてはいけないのが等級がアップするタイミングが遅くなるという事です。
今の保険を半年掛けていて、そこで解約し次の保険を契約した場合、そこからまた1年間保険期間がスタートになりますので、合計で1年半同じ等級でいる事になります。
保険を使う事がなければあと半年で等級がアップし、保険料が安くなるものを、あとさらに半年先延ばしにする事になるのです。
さらに、保険期間の途中で自動車保険を解約した時の払い戻しは、思っていたより少なくなるケースが多いようです。
特に一括払いで保険料を支払っていた場合、残りの月数分がそのまま戻ってくるという事はありません。
ソニー損保を例に挙げると、例えば保険料が年払いで10万円だった場合、半年で解約した時に戻ってくる金額は約3万円です。
これらを考え合わせると、保険会社を変更するのは満期日を待って行う方がおすすめと言えるでしょう。
保険期間通算特則とは
前項で1年未満で解約すると等級が上がるのに余計に期間がかかるというご説明をしましたが、一部の保険会社では、保険期間通算特則を設けており、この特則がある保険会社では、前契約と通算して1年契約とする事ができます。
この特則がある保険会社では、等級が上がるのが遅くなるという心配はありません。
事故対応中の変更
現在の保険会社で事故対応中であっても、保険会社の変更は可能です。
ただし、保険を使った事故対応中であるという事は、次年度の等級は確実に下がる事になります。
新しい保険会社にはその旨をしっかり伝えるようにする事が大切です。
もし伝えずに契約した場合、後から保険料の追徴が発生する事になります。
等級飛ばしへの対応
現在の保険会社で保険を使って保障を受けた場合、翌年の等級は下がります。
現在の等級によっては、6等級以下になってしまうケースもあるでしょう。
そんな時、もしその保険を途中で解約して、新たな保険に加入すれば6等級からスタートできるから、その方が得なのではと考えている方がいるかもしれません。
しかし、日本損保協会では適切に等級を引き継ぐため、情報を交換する制度を設けています。
そのため保険会社を変えて虚偽の申告をする事で、等級飛ばしを行おうとしても、すぐにわかってしまうのです。
自動車保険の会社を変更するメリット・デメリット
以下でまとめてみますね。
保険料を安くできる
自動車保険の会社を変更する最も大きいメリットは、保険料を安くできる事です。
同じ保障内容で保険料が安いのであれば、変更した方がお得と言えます。
また、もし保険料が同程度であっても、ロードサービスなどの対応がいい保険会社もあります。
保険会社を変更する時には、様々な角度から比較してみる必要があります。
等級アップが遅れる
満期前に保険を解約し新たな保険会社で契約した場合、等級がアップするタイミングが遅れてしまいます。
ただし、保険期間通算特則のある保険会社であれば、問題はありません。
解約返戻金が少ない
保険期間中に解約をした場合、戻ってくるお金は残りの月数分の保険料よりは少なくなってしまいます。
継続割引きが利用できない
同じ保険会社で継続して保険に加入する場合、継続割引きが適用される事がありますが、保険会社を変更してしまうとこの割引きは利用できません。
ただし、保険会社を変える事によって保険料が今より安くなるようであれば、気にする必要はないでしょう。
保険会社変更の手続き
保険会社を変更する時の手続きについて説明していきますね。
満期日に変更する場合
現在の自動車保険の満期日に合わせて保険会社を変更する場合、今の保険会社に次年度は保険契約を継続しない旨を連絡します。
そして満期日がくる前に、新しく入る保険会社の見積もりを取っておかなければなりません。
満期日には新たな契約が完了しないといけないので、時間的に余裕を持って手続きを進める事が大切になります。
満期日になる前に変更する場合
満期日になる前に保険会社を変更する場合には、解約日と新たな保険の契約日が必ず同じ日になるように注意が必要です。
電話だけで手続きが済まない事もありますから、早めに保険会社へ連絡をするようにしましょう。
変更手続きに必要な書類
・保険証券
・車検証
・運転免許証
になります。
保険会社を変更する時には、現在加入している保険の保険証券と車検証、また免許証を用意して手続きしましょう。
新規契約の申し込み
新規の契約を申し込む時には、車検証が必ず必要です。
新車で加入する場合には、納車日や車の時価の確認のため、車の見積書や納品書などを用意しておきましょう。
現在の保険会社の解約
現在の保険が満期であれば、継続しない旨の連絡だけすれば完了です。
自動継続の特約が付いていたとしても、事前に連絡すれば問題ありません。
保険料が自動引き落としになっている場合には、保険料が引き落とされてしまう事のないように、特に早めに連絡するようにした方がいいでしょう。
等級の引継ぎ期間
契約の満了や解約日の翌日から7日以内に新しい保険に加入しないと、等級が引き継げなくなります。
また契約途中で解約し新しい保険に加入する際には、等級が進むのが遅くなってしまう事のないように、保険期間通算特則を設けている保険会社を選んだ方がいいでしょう。
無保険期間ができないように注意
繰り返しになりますが、前の保険の解約日または満了日が、新しい保険の加入日と同日になるように十分注意しましょう。
空白の期間ができてしまって、万一その間に事故が起きてしまった時には無保険となり、莫大な保障が自己負担となってしまいます。
変更手続きに掛かる時間
現在加入している自動車保険の会社に解約を申し出る場合には、少なくとも1~2週間程度は手続きに掛かると考え、早めに手続きを開始しましょう。
新しい保険会社でも、保障内容の確認や見積もりの作成、保険料の支払い手続きなどがあります。
解約と契約、両方に時間が掛かる可能性がありますので、余裕を持つ事が大切です。
自動車保険の保障内容を変更する
参考にしてください。
保障内容を変更するタイミング
自動車保険の保障内容を変更するタイミングは、人それぞれです。
車が変わった時、結婚して配偶者も運転する事になった時、また子供が免許を取って運転する事になった時など様々なタイミングがあります。
保障内容の変更の流れ
・代理店型の保険なら担当者に電話で伝える
・通販型ならインターネット上から手続きできるか確認する
保障内容を変更したい時には、代理店型の保険であれば担当者に電話すれば変更の手続きを進めてくれます。
通販型の場合には、保険会社に電話をするかインターネット上で手続きが可能な場合もあります。
変更時には、いつから保障が適用になるのか、保険料は変わるのかなどを明確にしておきましょう。
インターネットでは変更できない保障内容
インターネットで保障内容を変更する場合、保険会社によってはすぐにはできない事もあります。
また記名被保険者の変更などはインターネットではできない事もあり、そのような場合には電話での問い合わせになります。
インターネットでの具体的な変更方法
インターネットで保障内容を変更する場合の具体的な方法ですが、保険会社と契約した時に送付されている書類などに記載されている、IDやパスワードなどを使って保険会社の手続きページにログインして行うケースが多くなります。
手続きを行う際には、必要書類を手元に用意してから始めるようにしましょう。
契約期間中の保障内容の変更
契約期間中に保障内容を変更する場合には、保険料も変更になる事があります。
変更の内容によって、保険料が高くなる事も安くなる事もありますので、その支払い方法や払い戻し方法については、変更手続きの時に確認するようにしましょう。
保障内容変更時の注意点
・保険料はいくら変わるのか
・いつから保障されるのか
を確認するようにしましょう。
保障内容の変更を行う際には、変更後に自分が思っているような保障が行われるか、しっかり注意して確認する事が必要です。
またいつから保障されるかという事についても、確認をしておきましょう。
また保険料がいくら高くなるのか、安くなるのか、またそれはいつからなのかという事の確認も大切です。
保険会社によって異なりますので、それぞれ確認するようにして下さい。
変更の内容によって一度解約する事もある
例えば、現在乗っている車を手放し、新たな車を購入するまで時間が空く事もあるかもしれません。
そういう時には、今の保険を一度解約して、新たな保険を契約する事になる場合もあります。
現在の等級が7等級以上であれば、そのような時には中断証明書を発行してもらえますので、間が空いたとしても、現在の等級を引き継ぐことができます。
中断証明書は自分から申し出ないと発行してもらえない事もあるので、忘れないようにしましょう。
また使用には一定の条件がある保険会社もあるので、事前に確認するようにして下さい。
保障内容を変更した際の保険料の精算
保障内容を変更した事で保険料に差異が生じた時には、精算が行われる事になります。
一般的に支払いが生じる場合には、クレジットカード払いや、振込用紙が送付されて来て支払います。
返金の場合には、自分の銀行口座に振り込みを依頼する事が多いでしょう。
運転者の範囲や年齢条件の変更
自動車保険の保険料は、基本的に事故のリスクが高ければ高く、低ければ安くなります。
それぞれについて以下で解説しますね。
運転者限定
- 本人限定 : 記名被保険者のみ
- 配偶者限定 : 記名被保険者とその配偶者のみ
- 家族限定 : 記名被保険者とその配偶者、同居の親族・別居の未婚の子
- 限定なし : 運転者の限定なし
家族限定の家族とは、本人・配偶者、同居の6親等以内の血族、3親等以内の姻族、そして別居している未婚の子です。未婚の子とは結婚歴のない子供であり、現在独身でも離婚歴があれば含まれません。
年齢条件
自動車保険の年齢条件は、保険会社によってことなりますが、一般的には次のような区分になります。
- 35歳以上
- 30歳以上
- 26歳以上
- 21歳以上
- 年齢条件なし
こちらの年齢条件は、契約者本人と配偶者、同居の親族のみ適用になります。
知人や友人、また別居の未婚の子供などは対象ではありません。
一般的に、年齢が若いほど事故のリスクが高いとされ、年齢が上がるほど保険料は安くなります。
しかし、実際に運転する人に合わせた範囲に限定しなければ、いざと言う時に保障されないので注意が必要です。
保険料の違い
運転者の範囲を限定する事で、保険料はどの程度変わるのでしょうか。
保険会社によっても異なるので一概には言えませんが、本人限定ありの場合、限定無しに比べて1割ほど割り引かれる事もあるようです。
年齢条件については、年齢条件が高ければ1~2割ほど割引かれ、逆に年齢が若いと3割ほど割り増しになる事が多いようです。
使用目的の変更
車の使用目的には、次の3種類があります。
・業務用
・通勤・通学用
・日常・レジャー用
それぞれについて説明していきますね。
業務用
- 車の使用のほとんどが仕事で使う場合。
- 車に会社名が記載されている。
- 月の半分以上仕事で使用する。
通勤・通学用
- 主に通勤・通学で使用する。
- 通勤は業務には含まない。
日常・レジャー用
- 仕事や通勤などに使わない。
- 買い物やレジャーなどだけに使用する。
保険料の違い
業務用で車を使う場合には、基本的に使用頻度も高いと考えられ保険料は高く設定されます。
しかし日常・レジャー用だとしても、走行距離が多ければ事故のリスクは変わりません。
そのため走行距離によって保険料を決めている保険会社もあります。
実際にどの程度保険料が違うかは、保険会社によって違ってくるので、見積もりを取ってみるのが一番正確です。
運転免許証の色の変更
すぐに割引きが受けられる訳ではありません。
免許証の色がゴールドであれば、ゴールド免許割引が適用されますが、これは契約日の免許証の色で決まります。
契約途中でゴールド免許を交付されたとしてもその契約では割引は受けられませんし、逆にゴールド免許割引を受けている人が、何らかの理由でブルー免許になったとしても、割引はその契約中は有効です。
基本的にゴールド免許以外は割引はありません。
まとめ
自動車保険の変更には「保険会社の変更」と「保障内容」の変更があります。
それぞれ手続きや注意点が異なりますので、変更を考えている方はこちらの記事を参考にしていただけたらと思います。
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