自動車保険では使用目的が次の3つに分類されています。
- 日常・レジャー
- 通勤・通学
- 業務
ただし、ひとつの目的だけに車を使用するとは限らず、どれに設定すればいいのかわからないという方もいらっしゃると思います。
どのような基準で使用目的を選べばいいのか、また変更するのはどうすればよいのかなどについてご説明いたします。
使用目的で保険料が変わる自動車保険
近年の自動車保険は、契約する車の走行距離や使用目的によって、リスクを細かく分類し、保険料が変わってくる仕組みになっています。
契約時に車の使用目的を調べる事で、事故などで保険金を支払うリスクがどの程度あるのかを把握する意味があります。
この使用目的によって、保険料は大きく異なってきますので、申し込みする際には使用目的の申告は必須です。
3つの使用目的
使用目的 | 用途 | 事例 |
---|---|---|
家庭用 | 日常・レジャー | 主にレジャーや買い物等に使用(年間3,000~10,000km) |
家庭用 | 通勤・通学 | 毎日通勤や通学で使用(年間10,000~15,000 km ) |
業務用 | 業務 | 仕事で車を使用(週5日以上または月15日以上) |
日常・レジャー
3つの使用目的の中で、「日常・レジャー」が保険料が一番安くなります。
他の使用目的に比べると、運転する機会が少ないと見なされる事から、保険料が安く設定されているのです。
通勤・通学
ほぼ毎日、通勤や通学で車を使用する場合には、こちらを選ぶ事になります。
買い物やレジャーにしか使わない人よりは事故のリスクは高いとみなされますので、業務の次に保険料は割高です。
通常、週に5日以上もしくは月に15日以上、通勤や通学で車を使用するケースでは、「通勤・通学」を選択する事になります。
運転者自身が通勤や通学で使うわけではなく、家族が通勤や通学する際に送り迎えをするケースであっても、「通勤・通学」と判断されますので注意して下さい。
業務使用
3つの中で、最も保険料が割高になるのが「業務」です。
業務(仕事)で車を使用する場合、他の使用目的と比べて運転時間が長くなる事が予想され、その分事故のリスクも高くなると考えられるため、それが保険料にも反映されます。
通常、週に5日以上もしくは月に15日以上、業務のために車を使用するのであれば、使用目的は「業務」を選択する事となります。
保険料の違い
先程もご説明した通り、「日常・レジャー」→「通勤・通学」→「業務」の順に、保険料は高くなります。
だからと言って、使用目的について虚偽の申告をして万一事故にあった場合には、補償が受けられなくなりますので、必ず正しく申告をするようにして下さい。
また虚偽の申告が発覚した場合には告知義務違反と見なされ、補償を受けられないだけではなく、契約解除となる場合もあります。
「日常・レジャー」と「通勤・通学」の大きな違いは使用頻度
年間を通じて、月に15日以上通勤や通学に車を使用しないのであれば、使用目的は「日常・レジャー」にする事ができます。
逆に月に15日以上通勤や通学で車を使うのにもかかわらず、日常・レジャーで契約をしているような時には、万一事故にあった場合補償を受けられず、さらには保険契約を解除される事もあります。
法人の業務使用の場合には、共済がおすすめ
法人が業務使用の自動車保険の契約をするのであれば、共済がおすすめです。
なぜなら、農協のJA共済や全労済などの共済による自動車保険では、使用目的を申告する必要がないからです。
ですから業務で車を使おうが、通勤通学に使おうが、保険料が高くなる事はありません。
法人が業務で車を使う際の自動車保険は、共済で契約すれば大きく料金を節約する事ができます。
パートやアルバイトで車の使用頻度が週1~4日なら「日常・レジャー」
週に1~4日程度、月に14日以内、パートやアルバイトに行くのに車を使用するのであれば、「日常・レジャー」を選ぶ事になります。
また、家族や友人が使用目的以外で運転したとしても、問題はありません。
仕事で職場の建設現場に行く場合「業務」か?「通勤」か?
この場合、自宅から職場である建設現場への往復だけに車を使うのであれば「通勤」です。
しかしその車を使って、会社に出勤してから建設現場に行く場合や、業務で依頼された書類の届け出などに行く場合には「業務」となります。
農業の場合、出荷するなら「業務」
その車を使用し、収穫した農作物を出荷するのであれば「業務」です。
畑や農地に行くのに車を使うのなら「通勤」であり、同じ畑に行くのでも趣味や、自分が食べるために農作物を作っている人は「日常・レジャー」となります。
保育園への送迎は「日常・レジャー」幼稚園の場合は「通学」
保育園への送迎は「日常・レジャー」になります。
ただし、保育園に送りがてら運転者が通勤をしている場合は「通勤」になります。
また幼稚園への送迎の場合は、幼稚園が学校教育法による「学校」と判断されるため、使用目的は「通学」となります。
自動車保険の使用目的別保険料の例
昨今の自動車保険は、リスク細分化のため使用目的によって保険料が異なります。
ただし保険会社によって、その計算方法や割引率が異なるため、保険料はそれぞれの会社で差があります。
また、そもそも使用目的の設定のない保険会社もあります。
(トヨタ アクア・30歳・6等級の場合)
- 東京海上日動
日常・レジャー : 92,880円
通勤・通学 : 97,520円
業務 : 102,140円
- 三井住友海上
日常・レジャー : 100,320円
通勤・通学 : 105,310円
業務 : 110,380円
- 損保ジャパン日本興亜損保
日常・レジャー : 77,540円
通勤・通学 : 83,080円
業務 : 89,310円
使用目的で虚偽の申告をすると告知義務違反
契約者は自動車保険に対して、使用目的の告知義務があります。
どこの保険会社でも、使用目的の申告を義務付けている会社であれば、使用目的の虚偽の申告が発覚した場合には、保険金の支払いは行われません。
使用目的は契約者に告知義務がある
自動車保険を契約する際、契約者には告知義務というものがあります。
具体的には、次のような情報について告知する事になります。
- 契約する自動車の情報 : 用途車種・登録番号・使用目的等
- 運転者(記名被保険者)の情報 : 氏名・年齢・免許の色等
- 前契約の等級や事故歴
- 契約者の自動車保険契約台数が9台以下であるかどうか
- その自動車において他の契約がないか・重複契約がないか
使用目的等を正しく告知しなかった場合、故意であるか過失であるかにかかわらず、告知義務違反となり、保険会社から保険契約を解除される事があります。
事故があった場合でも、補償は受けられません。
契約者には使用目的の通知義務がある
自動車保険の契約者は、上の告知義務とあわせて通知義務というものもあります。
契約者は通知義務のある事柄に変更が生じた際には、すぐに保険会社に変更の通知をしなくてはなりません。
具体的には、次の項目に変更があった場合に、保険会社に通知の変更を伝えます。
・自動車の用途車種・登録番号の変更
・使用目的の変更
告知義務と同様に、故意または過失で通知を正しく行わなかった場合には、通知義務違反となり契約を解除される事があります。
ただし通知していなかった内容と、事故とに関係がなければ、補償は受けられます。
自動車保険の使用目的の変更方法
車を使用する状況に変化があり、使用目的を変更する必要がある場合の変更方法と、その際に確認するべき事をご説明します。
自動車保険の契約期間の間でも、使用目的の変更はできます。
変更が必要になった際には、保険会社に変更の申し出をします。
代理店もしくは保険会社のお客様相談室などに、使用目的を変更したい旨の連絡をして、手続きの書類の記入もしくはそのまま電話で手続きをします。
ケースによっては、使用目的の変更の理由や他に変更点がないか等を聞かれる事もあります。
それらについても確認した上で電話を掛けるようにしましょう。
使用目的の変更を書面で行う場合には、必要や変更手続き書類は代理店または保険会社から送付されます。
その書類に記名などを行い、代理店や保険会社に返送すれば手続きは完了です。
使用目的を変更すると、保険料が変わる事になります。
保険会社に変更を申し出る際には、引き落とし銀行やクレジットカードなど、保険料の支払いに必要な情報を、予め準備しておきましょう。
自動車保険の使用目的を変更しようと思った時には、これからご説明する点について確認をしてから、代理店または保険会社に連絡するようにしましょう。
ますは、使用目的を「通勤・通学」にしている方が、「車通勤をやめた」「退職した」場合などについてです。
もし契約期間中に車での通勤をやめたり、退職したという事があれば、使用目的は「日常・レジャー」に変更して下さい。
ただし、日常・レジャーに変更したら、通勤や通学での事故には補償は出ない事になります。
今後も通勤や通学でも車を使う可能性がある場合には、その点を確認した上で変更を行って下さい。
まとめ
自動車保険の使用目的について、まとめると次のようになりますので覚えておいてください。
どれくらい保険料が違うのか知りたい方は、自動車保険料の一括見積サイトをご利用になると便利です。
- 使用目的には「日常・レジャー」「通勤・通学」「業務」の3つがある
- 保険料は「日常・レジャー」→「通勤・通学」→「業務」の順で高くなる
- 使用目的で虚偽の申告をすると補償が受けられなくなる
- 使用目的を変更する時は、保険会社か代理店に連絡する
- 保険料の違いを知りたい時は、一括見積りサイトを使うと便利
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