運転代行を頼んだ際に事故を起こしてしまったら?責任はどうなる?

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自動車で仕事に行った日に、会社の飲み会にどうしても出席しなければならない場合、運転代行のサービスは助かります。

お酒を飲んだとしても、自分の代わりに車を運転して、代行サービスの人が家までつれて帰ってくれるので飲酒運転を防ぐことが出来ます。

飲酒運転の罰則はとても厳しいです。

酒気帯びなどで検挙されると、50万円から100万円の罰金と即刻免許停止、もしくは免許取消処分となります。

はな さん
飲酒運転で検挙されたり、事故を起こしたくないので、運転代行をお願いしたことがあります。

もし、この時に事故が起きてしまったらどうなるんですか?


あかり さん
とても便利な運転代行サービスですが、利用中に事故が起きてしまったらどうなるかは知っておきたいですよね。

それでは説明していきます。

運転代行の際に事故が起きた時の責任は誰に?

一般的な事故の場合、事故の責任は運転代行業者と依頼している本人が負うことになります。

運転代行を利用している時に、実際に運転しているのは代行業者のドライバーなのに、どうして依頼者も責任を負わなくてはならないのでしょうか?

最初に考えたいのは、運転代行業者にはどんな責務があるかという事です。

代行業者のドライバーには、自賠責法3条の運行供用者責任があり、被害者に損害賠償をする責務があります。

一方、運転代行業者に運転を頼んだ依頼者は、本人以外の人に運転を任せたとして民法715条が適用され責任が問われます。道順を教えたり、その他の指示を出したりしているので、運行供用者責任も関係してきます。

事故が起きた時に、被害者は通常は運転代行業者に損害賠償請求をします。その時には運転代行業者が賠償金を支払いますので、依頼主に賠償責任は発生しないことでしょう。

はな さん
そうですよね。

一瞬、支払いが発生するのかと思いました。


あかり さん
もしもの話ですが、被害者が依頼者に損害賠償請求をしてきた時には、上記のような理由で依頼者にも責任があるので、賠償金を支払わなくてはなりません。

自動車保険を使うことは出来る?

はな さん
運転代行を頼んだ時に起きた事故の損害賠償金を支払うために、自動車保険を利用することは出来るのでしょうか?

あかり さん
通常の任意の自動車保険では、保険金支払いの対象外になっているので利用することは出来ません。

本人限定等の特約を付けていなければ友人に車を運転してもらって事故を起こしたら、自動車保険を適用できますが、運転代行業者などの自動車取扱業者に業務として運転を依頼したときには、保険を適用できないのです。

はな さん
任意保険は使えないとのことですが、自賠責保険は使えますよね?

あかり さん
ハイ。使えます。

運転代行業者に依頼した時に事故をおこすと、自賠責保険しか利用することが出来ない事を覚えておきましょう。

ただ、運転代行業者は、普通は保険に入っているので、その保険で被害者への損害賠償を支払ってくれます。

しかし格安の代行業者の場合、保険に入っていない業者の可能性があるので十分に気をつけましょう。業者が保険に入っていない場合は、依頼者に全ての損害賠償支払いの責任が発生する恐れがあります。

はな さん
それは怖いですね。

信頼できる業者を選ぶようにしなくてはダメなんですね。


あかり さん
そのとおりです。

どのような代行業者を選んだらいいかは以下を参考にして下さい。

運転代行業者が入っている保険とは?

運転代行業者は、国土交通省関係自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律施行規則と、国土交通省の告示というものによって、自動車保険に加入しなければならないと決まっています。

対人賠償や対物賠償をカバー出来る保険か共済に入っていなければならないのです。運転代行業者を利用する時には、きちんと保険に入っている信頼できる業者を選ぶことが大切です。

運転代行業者は主に2つの保険に入る義務があります。

それは随伴車の事故に備えておく保険と、依頼者の自動車を代行して運転している時の事故に備える保険です。

随伴車というのは、代行サービス中に後ろに付いてくる業者の車です。

代行サービスを利用する時に依頼者に関係してくる保険は、依頼者の車を代行運転している時の事故に備えた保険です。

運転代行業者向けの保険は損害保険会社が提供していますが、高額な保険料がネックで、ほとんどの代行業者は敬遠しています。
多くの業者が入っているのは、保険料の安い運転代公共債協同組合の自動車保険となっています。

信頼できる運転代行業者の選び方

保険にきちんと入っている信頼できる運転代行業者を選ぶには、どうしたら良いでしょうか。

2013年11月から運転代行の業界団体の代表者たちと、業界外の有識者で組織された優良運転代行業者評価認定委員会が立ち上がり、優良運転代行業者評価制度が制定されました。

全国の数百の代行業者がすでに認定されています。どの業者が認定されているかは、全国運転代行協会のホームページから確認することが出来るので、事前に確認しておきましょう。

はな さん
全国運転代行協会のホームページでよく利用する代行業者が優良代行業者評価制度に認定されているかをチェックしておけばいいんですね。

あかり さん
そうですね。

優良代行業者評価制度に認定されるには、任意保険に加入しているだけで無く、過去2年間に飲酒運転などの違反が無いかなどの条件があります。

事故が起きた時でも、賠償責任をきちんと果たしてくれる運転代行業者を探しましょう。


運転代行に依頼する時以外にも、賠償責任が生じるような交通事故に遭った時のことを考えておくことは大切です。

事故に遭った時の補償が十分な保険に入ると、保険料が高くなると思いがちですが、自動車保険一括見積もりサービスを使うと、安くて補償が十分な保険を探すことが出来ます。

一括見積もりサービスを使って、今までよりも数万円も年間の保険料が下がったと実感している人が多いので、次の更新の時に利用してみると思わぬ節約が出来るかも知れません。

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