交通事故紛争処理センターについて

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交通事故紛争処理センターは、自動車事故に際して紛争が生じた時に、保険会社と被害者の間に入り公平な観点から和解できるよう助力してくれる裁判外紛争解決手続(ADR)が行なえる公益財団法人です。

交通事故では保険会社と被害者の間で示談交渉が行なわれる中で補償の内容が決まるのですが、こうした交渉に際して保険会社は少しでも自社の出費を押えるために保険金の支払いを低く見積もろうとします。

また一方で被害者としては実際に被害の程度より過小に見積もられれば損失を被ることになりかねず、またより損害が大きい場合は将来に向けての不安も生じる事になり、双方の主張が相容れず和解できない事があるのです。

そうした事態においていきなり裁判を起こすのではなく、裁判外紛争解決手続として解決を図る事もでき、交通事故紛争処理センターは民事訴訟を起こす前に法律相談に乗り、相手方との和解斡旋を引き受けてくれるのです。

交通事故紛争処理センターのメリット

では裁判を起こさず裁判外紛争解決手続としてセンターを利用した場合はどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • まず民事裁判ではご自身で弁護士を雇い裁判所に訴訟を提起することになりますので、大きな費用は掛かると共に和解までには相当な時間を要します。一方で裁判外紛争解決手続を行う場合はセンターの嘱託弁護士が対応してくれるのですが、この時に担当してくれる弁護士については費用が掛からず無料で利用できる点が大きなメリットとして挙げられます。

また利用に際して一般的な流れとして、まず電話予約を入れセンターまで訪れることになるのですが、必要書類を提出した後にはおよそ1回から3回程度訪れた段階ですぐ和解を迎えます。

期間としてはおよそ1~3カ月程度と非常に速くなりますので、裁判で和解もしくは判決が下されるまでの期間と比較すれば素早い対応が期待できます。また和解にならなくても相手が保険会社の場合は審査に回される事になり、そこでの決定について保険会社は尊重するよう求められています。

  • ただその一方で交通事故紛争処理センターを利用するにあたり少なからぬデメリットもあり、センターの申し込みに際しては混雑していることから待ちの期間が生じたり、処理にやや時間を要することもあります。また裁判と比較した場合は受け取ることができる損害賠償額については低くなることもあり、加えて後遺障害が生じた場合にはその認定に関わる問題については対応してくれません。さらに交渉中の休業補償や遅延損害金なども請求することができませんので、このあたりは利用する以前に知っておきたいマイナス点として挙げられます。

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