なぜ、加害者は物損事故扱いにしようとするのでしょうか？

経験のある方も多いと思いますが、交通事故の加害者の中には被害者がケガをしているにも関わらず物損事故扱いにしようとする人がいます。

ケガの賠償はしっかりするからここは物損事故にして欲しいといった感じなのですが、なぜそれほど物損事故にしたがるのでしょう。

はなさん

どうして、事故の加害者は物損事故扱いにしようとするんですか？

ケガの賠償をしてくれるのなら、人身事故でも同じ様に感じるんですが……

あかりさん

確かに、賠償をするというのであれば人身事故であっても同じように思えますが、実は物損事故と人身事故では大きな違いがあり、このことが原因で物損事故扱いにしてほしいと言ってきます。

どういうことなのか以下で詳しく見ていきますね。

まず、物損事故というのはルール上はケガ人がおらず、車をはじめとした物の損害だけの事故のことで、加害者には刑事処分や行政処分が科せられません。

つまり罰金を取られたり、禁錮刑に処されたり、減点されたりすることがないわけです。

修理費用などは加入している保険を使えばいいので物損事故なら加害者にとってデメリットがほとんどないと言えます。

一方で人身事故は刑事処分や行政処分が科せられることになり、場合によっては免許を停止されたり取り消さたりもします。

はなさん

人身事故だと免停や免取りになることもあるんですね。

あかりさん

そうなんです。

これは加害者にとっては大きなデメリットになり、特に仕事で車を使うような人からすれば死活問題です。

だからこそケガの賠償を自己負担してでも物損事故扱いにしたい人がいるのです。

確かにケガの賠償をしっかりしてくれるのであれば人身事故扱いにするのは可哀想かなと考えてしまいますがこれは危険です。

たとえば賠償をすると言われてもケガをしているなら人身事故として警察に処理してもらうようにしましょう。

相手のことを考えると少し気がひけるかもしれませんが自分自身も被害を受けているわけですから妥協するのはよくありません。

たとえば相手の言う通り物損事故として処理してしまうと本来なら請求できるはずの慰謝料や逸失利益などは請求できなくなります。

必要な治療費を最後までしっかり支払ってくれるかどうかの保証もないわけですし、後でトラブルになっても物損事故は民事ですから警察も介入することができません。

その場は良くても後で問題になることが考えられますので結局は自分が損をすることになってしまいます。

はなさん

でも、事故の相手が男性で、強い口調で頼まれたら、オッケーしちゃいそうです……

B さん

女性が被害者で加害者が男性の場合などは自分の意思をはっきり伝えにくいこともあると思いますが、事故の時はすぐに警察に連絡をし、保険会社にも連絡をしてそれぞれに間に入ってもらって解決を図るようにしましょう。

はなさん

警察と保険会社に連絡を必ずするようにすればいいんですね。

あかりさん

そうです。

当事者同士だけで話し合いをすると物損事故扱いにしてほしいと言われたり、後々、トラブルになるケースが多いです。

事故が起きたらとにかく警察と保険会社に連絡をする、これを徹底するようにしましょう。